自粛中 他人の自由な行動にイライラ
ここ数カ月、新型コロナウイルスの影響で生活が変化する中で、他人の行動が目について仕方ありません。感染拡大防止のため、不要不急の外出はしないように心がけています。一方で、ステイホームに耐えられなくなったのか、毎週のように飲み歩き、遊び回っている同僚を見ると、「私はこんなに我慢しているのに」と怒りの感情が湧いてきます。また街中で、感染対策をしていない人を見たときも、ついイライラします。このご時世、心穏やかに過ごすには、どうすればいいでしょうか。
(30代女性)
お手紙を拝見し、毎日、緊張感をもって生活しておられるあなたの姿に感心しました。真面目に頑張っていればこそのお悩みかと、拝察します。
日本では、いったん収束に向かっていた新型コロナウイルスが、また勢いを増していますね。コロナ感染が始まったころは、ウイルスのことがよく分からず、専門家の意見もまちまち。そのせいで、ずいぶん不安になりました。その後、研究が進み、感染拡大を防ぐ方法も分かってきました。「マスクの着用」「手洗いと咳エチケット」「密集、密接、密閉の三密を避ける」という新しい生活様式は、これまでの生活に比べると、かなり窮屈ですが、自分の身を守るとともに、人にうつさないための配慮としても欠かせないものです。
ただ、すべての人が同じ生活様式で過ごせるかといえば、そうではありません。お手紙を読めば、あなたも「人はそれぞれなのだ」と、十分に分かっておられますよね。分かっているのに、人の言動に心がザワザワ、イライラする。誰にでもあることかもしれません。
よく考えてみると、「私はこれだけやっているのに……」という気持ちが、自分の心を苛立たせているのではないでしょうか。最初は細波のようでも、さまざまな因子で増幅され、大波になっていく。SNSなどで常に情報を得ていると、自分の知らないところで起こっていることにも、感情が揺さぶられてしまうのでしょう。
あなたが心の向きを変えようと趣味に力を入れたり、お風呂でゆったりしたりするのはいいことです。知らなくて済むことなら距離を置き、「鈍感力」を増すことで、心穏やかに過ごせるのではと思います。
あなたは十分に頑張っています。そのことを自分で認めてあげましょう。大いなるご守護への感謝の気持ちを、「思いやり」の心づかいに託して人とつながっていけるよう、努力したいものですね。
コロナ禍の今だからこそ、余計に「互いに立て合いたすけ合う」生き方を心がけていきましょう。
回答者:𠮷福 多恵子(濃飛分教会前会長夫人)