保津川の流れに漕ぎ出し コロナ禍に“意味”を求め

コロナウイルス関連記事


保津川の流れに漕ぎ出し コロナ禍に“意味”を求め

06月14日号

2020年は、まさに“希望の年”でした。今年1月、保津川下りの隣接地にサッカーの京都サンガF.C.の新ホームグラウンド「サンガスタジアム by KYOCERA」が完成。スタジアム内には、現在放映中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」のPR施設やスポーツ・アミューズメント施設が続々とオープンし、賑わう計画でした。さらに今夏には、東京オリンピックの開催も予定され、弊社にとっては、どこから見ても「死角なし!」といえる盤石の年になるはずでした。

しかしそんなとき、突如、新型コロナウイルスの感染がものすごい勢いで世界中へ拡大したのです。まさに青天の霹靂でした。坂道を全速力で転げ落ちるように弊社の来客数は減少。4月には「緊急事態宣言」が発出され、弊社は一時休業、社屋の閉鎖を余儀なくされました。

当初は「夢でも見ているのではないか?」という感覚に囚われ、にわかに現実を受け入れられずにいました。

「なぜ、こんなことに?」。この思いは観光に携わる仲間たちも同じでした。何十年に一度のビジネスチャンスの到来に、大規模な投資も行って準備万端で待ち構えていた、それなのに……。誰もが夢見ていた“2020年”は脆くも崩れ去り、事業継続すら危ぶまれるほど事態は急変したのです。わずか3カ月余りの間に、多くの人々の人生が一変してしまいました。

私にも100人を超える同僚や従業員さんを守る責任があります。「この現実を真正面から受けとめ、いまできる最善の策を講じて、事業存続の地盤を固めるべく必死に立ち向かわねば!」と自分に言い聞かせました。それでも正直、未練の思いはなかなか頭から離れず、私の心を苦しめ続けました。

毎日のニュースに、一喜一憂する日々を過ごしていた私。帰宅後、神様の前に額ずいていると、ふと次の言葉が頭に浮かびました。

「成ってくるのが天の理」

いま、わが身に起こることは、すべて親神様の深い思惑があってのこと。「為せば成る」と自力本位で、過去の成功に囚われた結果、未練を捨てきれずに葛藤していたのだと気づき、心が晴れていく気がしました。「そうだ! コロナ以前の思考はすべてリセットし、頭の中を白紙に戻して、今日という一日を精いっぱい生きよう」

生きていることへの感謝が生まれれば、人生に起こることはすべて親神様の導きであり、経験することすべてに深い意味があると気づけるはずです。事態はいまだ予断を許しません。しかし、その“意味”を求めて取り組んでいけば、必ず最良の道へ導いてもらえると信じています。苦しむ業界の仲間たちにも伝え、励まし合いながら、一緒にこの危機を乗り越えていきたい。また、いつの日か「信仰を持っていたからこそ、乗り越えることができたね」と振り返れると信じて。

この記事の関連記事

  • 読者モニターの声
  • 天理時報閲覧サービス
  • 時報から拾い読み

ソーシャルメディア