和楽

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和楽

01月31日号

昨年の春先、ある方から紅梅の苗木を頂いて植えた。すっかり蕾も膨らんで、いまや遅しと自らの晴れ舞台を待っている。ちゃんと春の到来を知っているかのようだが、植物には「休眠打破」という仕組みがある。梅は、ある程度の低温状態を過ごさねば花芽は大きくならない。たとえ同じ気温であっても秋に咲かないのはこういう理由である

▼有名なのは桜。一定期間、低温にさらされないと花は咲かない。逆に、秋に肌寒い日のあと高温が続くと、春の到来と勘違いして狂い咲きする場合がある。また苺は本来春から初夏にかけての果物だが、ケーキ需要のピークの都合もあって、冬に出荷できるよう日照を管理し、早めに低温状態にする。苗に人工的に冬を体験させることで花芽が分化し、実がなるのだ

▼「思えばコロナのおかげですよね」。面識のない女性からお電話を頂いた。筆者はユーチューブの「陽気チャンネル」(養徳社主催)でお話を定期的に配信している。それをご覧になった感想のお電話だった。新型コロナウイルス感染症の蔓延がなければ、こういうチャンネルが開設されることもなく、茶の間でくつろぎながらいろんな先生のお話が聞けることもない、という会話の流れからの言葉だった。屈託のない明るい言葉に思わず口元がゆるんだ

▼自由を追い求める人類が、これだけの不自由を強いられて間もなく1年になる。不要な外出や集まりに自粛が求められ、社会全体が「畳一枚が己が住む世界」となっているかに見える。経済や信仰活動の先行きが見通せないなか、誰しもつい下を向いてしまいがちだ。しかし、この低温状態がどんな芽を出させ、どんな花を咲かせるのか。女性の明るい悟りからは、そこに思いが至る。教会長の奥様らしい声の奥に、その教会につながる信者さん方の笑顔まで見えるような気がした。(茶木谷)

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