心をつなぐ努力と工夫を

コロナウイルス関連記事


心をつなぐ努力と工夫を

06月28日号

いまなお新型コロナウイルス感染の終息は難しい状況である。コロナ禍によって受けた経済、教育、文化芸術などのダメージは多方面に及び、現在、各分野で経済再生と感染防止対策の両面から〝コロナ後〟の社会を見据えた動きが見られる。その課題は「『三つの密(密閉、密集、密接)』の回避」「人との接触を減らす」という〝新たな日常〟へ、いかにシフトチェンジするかだといわれる。

経団連は、定時総会で「感染拡大リスクが続く中でも経済活動を再開、進展させるには、デジタル技術を活用して対面での業務を避けるといった新しい社会システムが欠かせない」として、デジタル化による社会変革を前面に掲げた。実際、多くの企業が感染防止対策として人との接触削減に取り組むことで、オンライン会議やテレワークによる在宅勤務が促進され、その結果、デジタル技術の導入が一気に進んだ。また内閣府は21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、就業者の3割以上がテレワークを行ったとする生活意識・行動の変化に関する調査結果を発表した。

こうした影響は就職活動にも及ぶ。来春卒業予定の大学生らに対する採用面接などの選考活動が主要企業で解禁されたが、今年は多くの企業が対面の面接ではなく、オンライン面接に切り替えるという。さらには、教育現場でもオンライン授業に向けた環境づくりが進められ、医療や介護の現場でも、面会できない患者に対して家族がリモートで面会するといった活用も行われている。

そんななか、オンライン会議用のアプリ「Zoom」(複数人が同時参加可能な「ビデオ・Web会議アプリ」)が急速に広がり、延べ利用者数は4月のピーク時に3億人に上り、昨年12月の1千万人から30倍に急増したことが、オンライン化の急速な普及を物語っている。オンラインで複数人が同時に会話できるコミュニケーションが、会議に限らずセミナーや飲み会、各種の会合などで幅広く利用されているのだ。

今後、コロナが終息した後の社会においては、TwitterやLINEなどのSNSを含めれば、職場や個人間での「オンライン・コミュニケーション」が拡大し、情報のデジタル化が加速することで、人々の情報の発信と取得のありようも、さらに変化していくことだろう。

現在、本教でも「三密」を避け、人が集まることを自粛しているさなかにあって、教友との交流、教会とようぼくとのやりとり、お道の情報発信などに関して、SNSや動画配信などを活用したさまざまな工夫が見られる。

たとえば、親里の風景を写真や動画で楽しめる「おやさと百景」、ラジオ「天理教の時間」や好評書籍を朗読作品化したコンテンツの配信。経験や悟りを交えて分かりやすく語る〝WEBひと言話〟の動画「心♡陽気ぐらし」、少年会員向けに教えの紙芝居、アニメーションや歌、作って遊べる工作、親子でチャレンジ企画などのコンテンツを揃えた動画「みんなの少年会」。青年会本部は「かしもの・かりもの」をテーマにした信仰感話をナレーション形式で毎朝配信する「千遍」を継続しており、さらに「SNSたすけセミナー」と銘打ち、SNSを入り口にして、悩みや困りごとを聞く活動について学ぶ場をオンラインで開催した。

このほか、国内外の教会や教友の間においても、子育て支援や海外での教友同士の交流の場をつくるなど、信仰の喜びを共に味わい、人とつながろうとするさまざまな工夫がなされている。

もちろん、オンラインでのコミュニケーションや情報発信は、あくまで手段の一つである。それは手紙や電話でも同じだが、それだけで丹精や育成が完結するわけではない。やはり時間と空間を共にすることで人と人との信頼関係が育まれ、互いの信仰も培われていくことは言うまでもない。

だが、この節を前向きに乗り越えるために、対面での交流が難しい中も、一人ひとりが心をつないで心の距離を近づけようとする努力は求められる。〝新たな日常〟において、それぞれが知恵を絞り、今できるにをいがけ・おたすけを心がけていくことが期待される。(加)

この記事の関連記事

  • 読者モニターの声
  • 天理時報閲覧サービス
  • 時報から拾い読み

ソーシャルメディア