「神のからだ」での共生を考える

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「神のからだ」での共生を考える

11月01日号

「おふでさき」に「たん/\となに事にてもこのよふわ 神のからだやしやんしてみよ」(三号40・135)とある。つまり、この世界は〝親神の身体〟であり、その中で親神のご守護によって私たち人間は暮らしている、生かされていると仰せられる。

その〝親神の身体〟の中で近年、多くの〝異常〟が発生している。

2018年、「MENDOCINO COMPLEX」と呼ばれる山火事が、当時、米国カリフォルニア州史上最大の焼失面積を記録した。

ところが、今年8月16日から10月26日現在も燃え続けている「AUGUST COMPLEX FIRE」と称する山火事が、その記録を塗り替えている。すでに約103万2千648エーカー、石川県とほぼ同面積(4千186平方㌔)が焼失した。

今年のカリフォルニア州での山火事の発生件数は、現時点で8千834件、総焼失面積は埼玉、栃木、群馬の3県を合わせたほどの414万9千345エーカー(1万6千791・8平方㌔)、死者31人、1万488の建造物が焼失あるいは被害に遭っている。

筆者が在住するロサンゼルス市の近郊でも山火事が発生し、そこから風に流されて煙が漂い、灰が降った日があった。カリフォルニア州北部のサンフランシスコ湾岸の各地では、近郊の山火事の煙の影響で、日中でも太陽が夕陽のように照り、街全体をオレンジ色に染めた日もあった。

また今年は、北米西部諸州の各地で例年よりも多くの山火事が発生し、オレゴン州では記録的な被害がもたらされ、コロラド州でも甚大な被害が生じている。北米西部各州で発生した山火事からの煙は気象衛星からも観測され、それは気流によってヨーロッパに到達している。

また、米国では今年もハリケーン被害が甚大である。南部・東部では多くの家屋が浸水し、半壊・倒壊している。例年は21個にも満たない熱帯低気圧が、今年はすでに27個発生し、そのうち巨大化した4個を含む11個がハリケーンに発達している。

さらに、昨年末からの新型コロナウイルスの感染は、現在、世界各地に〝第2波〟あるいは〝第3波〟をもたらし、その勢いは止まらない。

カリフォルニア州では収束に向かっている感はあるが、それでも新規感染者数は毎日2千人から4千人の間で推移し、多い日は4千人以上の報告がある。

新型コロナウイルスがどのように発生したのかは明らかでないが、このウイルスも〝親神の身体〟の中で発生したことに変わりなく、その事実に鑑みたとき、そこに親神の思召を汲み取ることは本教の信仰者にとって肝要であろう。つまり、このウイルスも親神によって創造されたものであるから、そこにはメッセージが込められていると悟るべきだと思うのである。

米国内での山火事の発生のみならず、昨年のオーストラリアやブラジル・アマゾンでの広大な山火事や、近年のハリケーンや台風の大型化、さらに今回のコロナ禍に鑑みるとき、〝親神の身体〟であるこの地球の使い方の誤りをお知らせくだされているのではないかと筆者は思う。

人類の歴史は、地球誕生からの歴史と比較すれば、微々たる期間でしかない。その微々たる期間の中の数百年間で、私たち人間は化石燃料など地球資源を多く使い、さらに地球温暖化のような環境変化を生じさせて、地球を大きく傷つけてきたのではないかと思うのである。

では今後、どうすればよいのか。

まずは、この世界を、人間が陽気ぐらしするのを見て共に楽しみたいという目的で親神が創造されたということを肝に銘じることであろう。そして、謙虚に生きること。それは自然の声に耳を傾けて地球資源を大切に使うことであり、また〝親神の身体〟の中で生かされている生き物たちとの共生を目指すことである。そこには新型コロナウイルスとの共生も含まれる。つまり、すべての自然の恵みに感謝し、その恵みを陽気ぐらしのために、どのように生かして使わせてもらうのかと叡智を結集し、〝親神の身体〟内の全生き物が協働して暮らせる世界の構築を目指すことであろう。(洋)

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