私の道しるべ 心に残る〝忘れえぬ教え〟
人生を歩む中で、さまざまな分かれ道に立ったとき、教えは〝道しるべ〟として、私たちが進むべき道を指し示す 。第14期読者モニター企画では、忘れられない教えの一節にまつわるエピソードを語ってもらう。第3回のテーマは「おふでさき」。
毎日を〝いつも通り〟に
Iさん 51歳・会社員・名古屋市
親神様は、人間が陽気に生きる方法をお教えくださった。また、病気になったり困ったことが起きたりしたときも、どうすればいいのかを示してくださる。まさに、至れり尽くせりの大きな親心である。
昔から体力に自信がなく、5年前には大きな病気に見舞われた。しかしそのたびに、「心さいしんぢつ神がうけとれば どんなほこりもそふぢするなり」(十三号23)のお歌を思い起こし、「神様に喜んでいただくには、何をしたらいいのか」を考え、実行してきた。
たとえば、通勤途中にもごみ拾いをしたり、所属教会へ毎日、感謝の気持ちを綴ったはがきを出したりしている。
私なりに真実の行動を重ねるうちに、ようやく毎日を〝いつも通り〟に過ごせるようになってきた。いま元気に暮らせることに、感謝の思いが溢れてくる。
すがる思いで全首拝読
Yさん 78歳・横浜市
約20年前、夫婦で旅行に出かけたときのこと。帰りの飛行機の中で、妻が急に鼻血を出し、止まらなくなった。
帰宅後、すぐに病院へ向かうと「特発性血小板減少性紫斑病」と診断され、緊急入院。医師からは「非常に危ない状態です。覚悟しておいてください」と告げられた。
突然のことに呆然とするなか、妻の危篤を知った所属の教会長夫妻が駆けつけ、おさづけを取り次いでくださった。
そのとき、ふと「妻がたすかるには、親神様におすがりするしかない」と思い、毎日「おふでさき」1千711首すべてを拝読すると心定めした。
それから、妻がいる集中治療室の前で毎晩、一人で「おふでさき」を拝読し続けた。10日ほど経ったころ、妻の容体が快方へ向かい、入院から40日後には無事に退院できた。親神様のご守護のありがたさを、あらためて確信した瞬間だった。
あれから20年。先日、75歳の誕生日を迎えた妻は、いまも元気に家事に勤しんでくれている。お歌にふれるたびに、あの日の感激が蘇る。
離れていても「一手一つ」
Fさん 51歳・契約社員・天理市
今年4月、全国各地に「緊急事態宣言」が出された。
こうしたなか、教祖誕生祭に合わせて企画された「天理ドリームオーケストラ」のリモート演奏をインターネットで視聴し、教友たちの素晴らしい演奏に感激した。
背景には、テクノロジーの発達があるのは言うまでもない。むしろそれが、この日のためにあったのではないかと思えるほどだった。
今年は、教祖の御前に道の子が集い、お祝いの歌を歌うことは叶わなかったが、リモート演奏に合わせて教友たちがご誕生日をお祝いする姿に、「一手一つ」の心を感じた。
世界がどれだけ離れていても心を合わせることができる。そう実感できただけでも、今年は本当に素晴らしい年だったと思う。
「月日にハとのよな事も一れつに みなにをしへてよふきづくめに」(七号108)とある。
このお歌の意味を、一人でも多くの人と味わうことができれば、きっとこの大節を乗り越えられると思う。
妻に〝お道の心〟を伝え
Sさん 30歳・会社員・京都府長岡京市
先日、妻が第一子となる娘を無事出産した。
妻は未信仰だったが、妊娠が分かり、本部神殿で参拝した際に、私の手に合わせて真剣におつとめを勤めていた。また、出産前の不安を少しでも和らげようと、お道の教えの一端を話したところ、「かしもの・かりものの理」について少し理解できたようだった。
迎えた当日、妻は、をびや許しを頼りに、親神様にもたれて出産を乗り越えた。無事に娘が産まれたとき、妻は自分の母親に「こんなに痛い思いをして、私を産んでくれてありがとう」と、真っ先に感謝の言葉をかけていた。妻が〝お道の心〟を受け取っていたように感じ、うれしい気持ちになった。
「しやんせよハかいとしよりよハきでも 心しだいにいかなぢうよふ」(四号132)
妻の出産を通じて、「かしもの・かりものの理」を心に治め、どんなときも素直に感謝する心で通らせていただくことが大切だと感じた。これからも親子仲良く、心の成人を目指したい。