(80代男性・京都市)
今年1月、第92回「選抜高校野球大会」の新聞記事中に、奈良県代表・天理高校の名を見つけたとき、同部ファンの私は「やった!」と喜びの声を上げた。しかし、それも束の間、新型コロナウイルスの世界的流行に鑑みて、春のセンバツ大会をはじめ、さまざまなイベントが中止になった。
落ち込んでいると、大学時代からの友人が、高校野球関連の新聞の切り抜きを送ってきた。その中に第100回「全国高校野球選手権大会」の様子が記されており、「高校野球の魅力は、なんと言っても応援合戦。吹奏楽の相性の良さも、熱がこもる一因でしょう」と書かれていた。
吹奏楽といえば、天理高校が昭和34年のセンバツ大会で初披露した「天理ファンファーレ」は、いまや全国の高校が演奏し、プロ野球の応援でも定番曲となっている。短いながらも力強く軽快な音で球場を盛り上げるこの曲を、観客席で初めて聴いたときは大いに感激したものだ。
一方で今年は、夏の全国大会も中止に。悔し涙を流す選手たちの姿をテレビで見て、かわいそうでならなかった。
そんななか、「2020年甲子園高校野球交流試合」が開かれることになった。センバツに出場予定だった高校が甲子園で試合すると聞いて、少し救われた気がした。
原則は無観客試合で、テレビ中継もまだ検討中と聞くが、もし叶うのなら、心の中でファンファーレを鳴らして応援したい。