新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクや消毒液が世界中で不足するなどのニュースが連日報じられている。こうしたなか、身近な人々や話題に心を配り、地道に実動する教友たちがいる。編集部に届いた関連トピックスを紹介する。
医療用のシールドを製作-北海道・統北分-
札幌市の統北分教会(山本一元会長)は4月15日、手作りのフェイスシールド29個と購入したレインコート10セットを大阪府内の医療機関へ贈った。
これまで休校中の地域の子供を一時的に預かったり、献血に協力したりと、地域のニーズに応える活動を続けてきた同教会。
先月からは婦人会員が中心となってマスクを手作りし、地域の病院や老人ホームへ届けている。
また、教会前に「手作りマスクあります」との看板を設置したところ、地域住民から多くの問い合わせがあったという。このほか、ニューヨーク青年会(福井富洋委員長)へも手作りマスク100枚を送っている。
さらに、医療現場で世界的にフェイスシールドの需要が高まっていることから製作を開始。大阪府内の医療現場で不足していると聞き、問い合わせ窓口へ確認したうえで、すぐに完成品を発送した。
山本会長(38歳)は「“シンプルに良いことを続ける”をモットーに、困っている人にすぐに手を差し伸べられるようアンテナを張っている。いまだからこそできる世界たすけを実践して、たすけ合いの輪を広げていきたい」と話している。
布マスクを手作りし配布-各地の教友有志-
熊本県八代市の熊澤正美さん(93歳・日延分教会ようぼく)と岡部洵子さん(79歳・同)は、布マスクの手作りひのきしんを行っている。
以前は洋装店を営んでいた熊澤さん。介護施設で暮らす現在も、趣味で裁縫を続けるなか、地元新聞に掲載された布マスクの型紙が目に留まり、布マスクの手作りを思いついた。所属教会が遠方にあるため、普段から参拝に通っている髙八代分教会(西尾武治会長)を拠点にマスクを製作することに。その際、熊澤さんの店で勤めた経験のある岡部さんにも声をかけた。
現在、二人と拠点教会の家族はマスクの手作りに連日励んでおり、50枚ほど完成したら、入居する施設の利用者や職員、所属教会の関係者に配る予定という。
熊澤さんは「この年齢まで元気に作業ができるのは親神様・教祖のご守護のおかげ。昔の経験を生かしてひのきしんができることは本当にありがたい」と話している。
(熊本・西尾社友情報提供)
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東京都大田区の牧野ユキさん(61歳・日理分教会教人)は臨床検査技師として勤める傍ら、職場の同僚や同教会の信者らに手作りの布マスクを配布している。
天理医学技術学校(当時)を卒業後、病院に就職。今年2月ごろから、自分や家族用に布マスクを作り始めたところ、職場の同僚も、通勤時に使用するマスクが手に入らず困っていると聞いて、配るようになったという。
改良を重ねながら、これまで約100枚を作ってきた牧野さんは「布マスクはしっかりと洗ってから乾かし、アイロン掛けをすれば十分殺菌される。今後も布マスクを作る人が増えれば」と話した。
英首相へ御供と本を届け-イギリス・旭志ロンドン布-
ロンドンの旭志分教会旭志ロンドン布教所(竹内伸幸所長)は、先ごろ新型コロナウイルスに感染したボリス・ジョンソン英首相へお見舞いの手紙を郵送。その際に御供とお道の書籍を同封したところ、後日、首相官邸オフィスから、御供などへの感謝の言葉が綴られた礼状が届いた。
イギリス政府は3月23日に外出禁止令を発令。外出は食料購入や医療受診、自宅勤務できない仕事などに限られた。こうしたなか、27日にジョンソン首相の感染が発覚。以来、布教所で毎日勤めるお願いづとめの際に、首相のたすかりも祈念したという。
竹内所長(61歳)は「事態が収束し、外出禁止令が解除された暁には、あらためてにをいがけ・おたすけに歩くことができるありがたさを噛みしめて、実動していきたい」と語った。
日中のたすけ合いを仲介-京都・園部分-
南丹市の園部分教会(中西興会長)の仲介により、先ごろ中国の社会団体「中国人民対外友好協会」から兵庫県へ抗菌消毒スプレー約6600本が寄付された。
これは兵庫県が2月、広東省などにマスク約100万枚を提供したことへの返礼として行われたもの。中西会長が同協会の職員と知り合いだったことから相談を受け、親交のある内藤兵衛・兵庫県議会議員(鍛冶屋分教会ようぼく)に相談して実現した。
3月25日、中西会長と共に兵庫県庁を訪庁した、同協会の日本側窓口となる志賀建華・日中平和発展促進会理事長は、「中国が大変なときに、たすけてもらった。少しでもお役に立てれば」と、抗菌消毒スプレーと感謝状を井戸敏三知事へ手渡した。
中西会長は「日本だけでなく、全世界が大変な状況にあるなか、国同士のたすけ合いに少しでも協力できたことを、とてもありがたく思う」と語る。
なお、この様子は中国国営放送で放映されたほか、電子版「神戸新聞NEXT」でも紹介された。