天理時報で新しく始まった4コマ漫画は、実話を元にしています。ここでは、そのオリジナルストーリーをお届けします。
立教184年(2021年)10月6日号掲載分
娘が「ありがとう」と
2歳の娘がいます。彼女が毎日を元気に過ごし、成長する姿を見ることが、いまの大きな喜びです。
実は、最近まで気になっていたことがありました。それは、娘が「ありがとう」と言えないことです。人からお菓子をもらっても何も言わず、ぺこりと頭を下げることもしないのです。
「『ありがとう』が言える子に育ってほしい」と毎日考える中で、ふと気がついたのは、私自身が「ありがとう」を心から言えていないということでした。
婿養子に入った夫は、教会の御用を真面目に務めてくれています。
また、ささいなことに対しても、いつも「ありがとう」と言葉をかけてくれます。一方の私は、本心からお礼を言えないこともしばしば。それどころか、つい乱暴な言葉を使ってしまうこともありました。
そう気づいてからは、心から感謝を込めて「ありがとう」と伝えるとともに、良い言葉づかいを生活の中で意識するようになり、心の向きも良い方向へと変わってきました。
最近、娘が少しずつ「ありがとう」と口にするようになりました。かつて苦手だった一人遊びもできるようになるなど、親離れが進んでいるようです。
娘の成長を喜びつつ、私も教会になくてはならない人になれるよう、感謝の心で日々通ろうと思いを新たにしています。
(沖久恵 34歳・広島市)