天理時報で新しく始まった4コマ漫画は、実話を元にしています。ここでは、そのオリジナルストーリーをお届けします。
立教185年(2022年)3月9日号掲載分
誰にプレゼントしたら…
7年ほど前、自宅用に新しいプリンターを購入した。欲しい物が手に入り、意気揚々と店から出たところで、ふと教会長さんのことが浮かんだ。
会長さんは毎月、月次祭の案内はがきを下さる。書き添えられた旬々のお諭しを読むたびに、心のほこりが払われるような心地がする。
しかしそのころ、はがきに印刷された文字が少しかすれていた。
「会長さんも新しいプリンターが欲しいだろうな」
そう考えると、居ても立ってもいられず、その足で教会へ向かった。買ったばかりのプリンターを思いきってお供えすると、会長さんは大変喜んでくださった。胸がスッとして、晴れやかな気持ちになった。
これを機に、さまざまな物を目にするたびに「誰にプレゼントしたら、一番喜んでくれるだろう」と考えるようになった。大切な人の笑顔を思い浮かべることで、「ほしい」のほこりを積まずに済んでいるのだと思う。
(安江聡司 56歳・名古屋市)