天理時報で新しく始まった4コマ漫画は、実話を元にしています。ここでは、そのオリジナルストーリーをお届けします。
立教184年(2021年)11月3日号掲載分
〝温かいひと言〟に励まされ
教師生活を送る中で、生徒たちへの声かけの大切さを痛感している。何げないひと言が、時に生徒たちの心に火をつけ、のちの人生を決定づけることもあると思う。
先日、ある生徒が落ち込んでいるように見えた。
翌日の朝、「おはよう。昨日は元気がなかったけれど、大丈夫か?」と声をかけたところ、悩みを話し始めた。
その生徒は私と話すうちに、だんだんと明るさを取り戻していき、最後には「先生も大変ですね。体調に気をつけて頑張ってください」と、逆に私を気づかう言葉をかけてくれた。
思わぬ生徒のひと言が、とても温かく感じられ、仕事に追われて疲れがたまっていた心に元気をもらったように感じた。
「たすけたいと思って声をかけたのに、いつの間にか自分のほうが、たすけられていた――」
生徒は、その日を境にすっかり元気になった。
私も生徒たちを励ます〝温かいひと言〟をかけられるよう、共に成長していきたい。
(高松祐次郎 31歳・山口県宇部市)