TLI留学生の座談会-いま親里で学び思うこと-

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TLI留学生の座談会-いま親里で学び思うこと-

07月26日号

おやさとふせこみ科で学ぶ金奎京さん(左端)、ウィモンキティラック・タナパットさん(左から二人目)、大本メーゲン沙映さん(右から二人目)、今井義信アレックスさん(右端)

母国を離れて親里へ 教えを求め、共に祈る

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外国人の入国が制限され、多くの留学生も来日できない状態が続いている。こうしたなか、天理教語学院(内田吉男校長)には、感染拡大の前に母国を離れ、親里で勉学やひのきしんに励む海外の若者がいる。彼らはいま、どんな思いを胸に学んでいるのか  。おやさとふせこみ科のウィモンキティラック・タナパットさん(28歳・城法大教会ようぼく・タイ)、金奎京さん(24歳・鎭海教会ようぼく・韓国)、大本メーゲン沙映さん(23歳・シアトル教会ようぼく・アメリカ)、今井義信アレックスさん(19歳・ジアデーマ教会ようぼく・ブラジル)に、それぞれの思いを聞いた。

感染拡大前に来日

TLI(天理教語学院)に入学したきっかけを教えてください。

タナパット
3年前に日本へ旅行したとき、天理で基礎講座を受講し、教えに関心を持ちました。帰国後、タイ出張所に参拝し、日本語や教えを学ぶようになったのです。「もっと勉強したい」と思い、昨年、日本語科へ入学しました。
大本
私は教会で生まれ育ちました。祖母が日本語を話すため、「いつか日本語を勉強したい」と思っていたので、大学卒業後の進路に迷っていたとき、「いい機会だ」と思って入学を決めました。
今井
僕も教会で生まれました。普段から日本語を話していたので、日本語科へは行かず、今年、おやさとふせこみ科へ入学しました。
きっかけは家族に勧められたことと、日本の文化が好きだったことです。

私の実家は布教所です。数年前、韓国伝道庁で実施された修養会に参加した際にTLIへの入学を勧められました。そのときは海外で学ぶことに不安があったのですが、修了後に自分が教えを全く理解できていないと感じ、思いきって入学することにしました。

日本での生活は、どうですか?

大本
道路にごみが全く落ちていないことに、とても驚きました。アメリカではそこら中にごみが落ちているので。
タナパット 大教会でお風呂に入ったとき、大勢の人が一緒に入浴することにとても驚きました。タイでは別々にシャワーを浴びるので、恥ずかしかったのですが、もう慣れました(笑)。
今井
来日して日が経っていないので、まだ分からないことも多くありますが、朝ごはんに出てくる納豆は好きになりました。
金 トイレに入ったとき、トイレットペーパーの先端が三角に折られているのを見て驚きました。次に使う人のための配慮だと知り、日本人の思いやりの心を感じました。

おつとめで終息願い

新型コロナウイルス感染拡大により、母国ではどんな影響が出ていますか。また自身の生活には、どんな変化がありましたか。

大本
3月初旬に日本語科を卒業後、一時帰国したのですが、シアトルではほとんどの公共施設や店が閉まっていて、外出も規制されていました。
そんななか、日本に入国できなくなるかもしれないと知り、急いでチケットを手配して、3月31日にぎりぎりで日本へ戻ることができました。いまアメリカでは、人種差別の抗議デモも行われるなど、予断を許さない状況が続いているのでとても心配です。
タナパット
僕もタイへ帰国したころ、タイ国内での感染者がどんどん増えていきました。友人とも会えず、帰国中に会えたのは両親と姉の3人だけでした。
再来日してから授業が始まるまでの2カ月間、大教会で毎朝十二下りのお願いづとめを勤めました。早く終息してほしいです。
今井
ブラジルでは、外出が規制されてからも、マスクをせずに外出する人がたくさんいました。感染者が200万人を超えているにもかかわらず、いまだに重大性を感じていない人も少なくなく、政治問題も絡んで事態は複雑になっています。

私は韓国人の同級生と一時帰国する予定でしたが、心配した家族や会長さんから、おぢばに残るようにと言われ、一人で日本に残って授業開始までの3カ月間、上級教会や詰所でお世話になりました。
その間、本部神殿の朝づとめに毎日参拝し、ひのきしんをしながら一刻も早い治まりを願っていました。
結局、帰国した同級生は来日が叶いませんでした。いま思うと、日本に残れたのは親神様のお導きのような気がしています。

健康のありがたさ

この状況で学ぶことについて、どんな思いを持っていますか。今後の抱負も併せて聞かせてください。

タナパット
両親は仏教徒ですが、僕が親里で学ぶことに反対することはなく、「人生は自分で選ぶもの。一生懸命頑張りなさい」と送り出してくれました。
以前、タイの貧しい子供にボランティアで数学を教えたことがあります。もっと勉強して、子供たちに日本語やお道の教えを教えられるようになりたいです。
大本
先日、田植えのひのきしんをできたことがとてもうれしかったです。日本語科で学んでいたときから、さまざまなひのきしんをさせていただくことを楽しみにしていました。
いまも大変な状況が続いていますが、健康に過ごせていることをありがたいと感じています。TLIで学ぶ間に、にをいがけやひのきしんを実践して、アメリカへ戻ったら、街からごみが少しでもなくなるよう、ひのきしんを心がけたいと思います。そして、私の姿を見た人に「これが天理教の人だ」と感じてもらえるようになりたいです。
今井
卒業後は、天理教校本科でさらに教えを学び、帰国後は伝道庁で青年づとめをする予定です。
いまは、お道の教えについて分からないことが多くあります。ブラジルで暮らす家族も大変な状況が続いていますが、目の前のことを一生懸命することが僕の役目だと思うので、家族にも安心してもらえるように、しっかり教えを学ぼうと思います。

最近、若いお道の仲間が減ってきているように感じます。おぢばで学んだことを生かし、料理など若い人が興味を持つイベントを開いて、そこで教理も学べる機会を設けるなどの、新しい布教のかたちを模索していきたいです。
いまは、日々の心づかいを見つめ直すことを意識しながら、おつとめを勤めることが大切だと思っています。親里で学ぶことができなかった仲間の分まで、家族や世界の人々の無事や幸せをおぢばで祈りたいと思います。

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