日本史コンシェルジュ(白駒妃登美)
人生を左右する出会い
(2018年10月21日号)
時間よりも教育の密度が成果を決定的に分ける要素、という筆者の観点は的を得た感想だろうと思います。時代の変化が激しい時代でも一瞬の出会いが、人の一生を左右する。この感想は実に当たっていると思いました。平戸藩家老葉山左内との師弟関係はわずか50余日であったという、この50余日は松陰の一生を形成するという濃密な時間だったと思われます。私もかって教職についておりましたが、生徒にそのような接触をしていたかどうか。(80代男性)
私は長くホテルで働いていたが、大切なお客様を見送る時は「玄関まで出て、お客様の姿が見えなくなるまで見送る」のがサービス業としての基本でした。しかし、家老であり師でもある葉山佐内が一青年の吉田松陰を同じように見送っていたとは驚きであり、同時に佐内が松陰をどのように思っていたかがその姿勢に覗えるのではないだろうか。(70代男性)
佐内と松陰との出会いが、それからの人生の師となったのですね。「すばらしい師につくということは、常識や技術を学ぶだけに留まらず、人格を含めて、その人が人生の中で培ってきたことのすべてにふれるということでしょう」とありますが、人との出会いは、多かれ少なかれ、自分の人生の師となっているのでしょう。(70代女性)